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【中3高1】中高合同課題研究 その3:二階から目薬を実際にやってみた

こんにちは!一関一高の探究推進課です。

今回で合同課題研究は3回目を迎えます。実験やアンケート・インタビューなどを具体的に構想し実施する段階となり、生徒はあっちこっちへ動いています。

筆者も担当の人文科学分野の活動場所「図書館」からスタートし、色々なところへふらふら出掛けて活動の様子を見てきました。今回の記事では、夏の特別授業からアイディアが出ていた「二階から目薬」グループの紹介をしていこうと思います。


01 私たち数学で日本の慣用句を研究してます!

「二階から目薬」。これは日本の慣用句(江戸時代の浮世草子にも用例が見られるようです)。辞書を引くと下のように出てきます。

「にかいから目薬をさす」
(二階にいる人が階下の人に目薬をさそうとするようなもの、の意から)思うようにならずもどかしいこと。また、回り遠くて効果がおぼつかないことをたとえていう。

小学館『精選版 日本国語大辞典』より

こんなふうに辞書を引いているということは、この研究グループは人文科学の学問領域で研究しているのか・・・答えは「No」。この研究グループは数学の学問分野で研究をしているんです。

このテーマは、夏の特別講座の期間で高校1年生が「課題研究のテーマ」の検討をしていたときに出たテーマです。4日間一生懸命考えたり、調べたりする中で、このテーマは意外にもパパッと出てきました。今回の合同課題研究で高校1年生が持ち寄ったテーマは、この特別講座の時のものになっています。

これがその時のワークシート。筆者のクラスの中で1番早くにテーマを作ったのではないでしょうか?

すでに高校生で取り組んだ事例もあるようですが、周囲の生徒からも「面白い!」と好評で、どうなるかな?と思っていました。合同課題研究のテーマが「二階から目薬」になったと聞き、実験をやっているタイミングで見にいこうと思って探してみると……。

02 振り返り→今日は200〜300回やった。

上の見出しは、この日のOPPシートの振り返りから。2時間でたくさん水滴を落としたようです。確かに、研究グループを探して1階の廊下を歩いていると、途切れることなく「ダメ」「入った」などの声が聞こえてきます。

声の主はこちら。上を見上げると、確かに水滴が落ちてきます。(上を見上げた時の写真がこのNoteの見出し写真)
試験管の中には水が溜まっています。意外と「二階から目薬」は入っているのか?

試験管の横で記録を取っていた附属中の生徒に「何の実験をしているの?」と聞くと、「「二階から目薬」ということわざのもどかしさについてを数値化する実験です」との答えが。ちゃんとテーマも共有されているようです。ちょっと、記録を取っている用紙を見せてもらいます。

「おお〜すごい!」と言うと、もっと母数を取りたいと話してくれました。

その後、2階へ!

2階からみると実験の様子はこんな感じ。まずは器具でスポイトを固定して下の試験管に落とします。この後は、実際に手で落としてみるとこのこと。

本校には「二階から目薬」を実験するのにちょうどいい場所があります。たまに通りかかる生徒や教員も足を止めて、実験の様子を見ていました。

03 中学生×高校生=未知数???

このグループの面白いところは、中学生が実験をやっているところ(大学の研究室もこんな感じでしょうか?)。もちろん、高校生がサボっているわけではありません。高校生は横からその様子を確認して、声をかけたり、話し合ったりしているようです。

向かって左にいる生徒が高校1年生で右にいる生徒が中学3年生。左にいる高校生がこのテーマを夏に作った生徒です。
こちらの写真はスポイトから水滴を落としている2階チーム。奥に高校1年生が並んでいますが、写真では隠れてしまいました…。

いろいろと話を聞いていると、目薬に入っている成分や、液体の粘りなども考えて、食塩水や砂糖水を落とす実験もしてみるとのこと。ぜひ実験については教員のアドバイスをもらいながら、たくさん考えて欲しいです。実験装置や実験場所、今回の実験でとれた結果をどう分析するか。考えることはたくさんありそうです。こんな風に中学生や高校生が一緒になって実験や調査をしている様子が、これからもっと増えていくはずです。

実験をしていた附属中の生徒に、「研究はどう?」と聞いたら「大変です」と一言。「でも、こうやって言葉を考えるのは楽しいし、泥臭い感じがいいです」と続けてくれました。

まだ実験を行う上での課題がありそうですが、これを粘り強く考えて学ぶのが今回の合同課題研究の目的!夏にこのテーマを見た時は、発展性もあるよね?と教員内でも話していました。今年の研究を経て、来年まで誰か研究してくれるといいな、と願っています。

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